虚しい言葉が 空に舞う
背中の震えが 地に響く
心など 心など 持つまい
大楠の幹に 嘔吐
消えうせて 灰に
あなたが あたしを しばる
あたしが あなたを しばる
きつくなるほどに かなしく
ゆるむたびに こころぼそく
あたしが あたしを しばる
あたしのからだを
うらにかえすと
まっくらやみの
せかいがひろがる
無数のひだひだに
ふれるたび
まっくらやみに
すいこまれていく
あたしのなかが
ふくれるたびに
星ゆれながる
おともなく
しあわせな痛みが
からだのなかをつきぬける
深紅の毛布を
剥ぎ取り
揺れる窓
水から躍り出た
魚たちがのたうちまわる
濡れた毛布に
時も忘れ
飽くこともなく
空が透きとおり
心とからだが
空の向こうに
吸い込まれていく
光のなくなるところまで
風薫る 猫を枕に うたた寝す
猫枕 若葉いちまい 舞い降りて
遠い雲 まねた姿で ねこまくら
見知らぬ模様の蝶が飛ぶ
黒と薄茶が空を舞う
どこから来てどこへ行く
どの花の香りに誘われた
とはいえ知らぬは我ひとり
素性は知らずにしまいたい
見知らぬ模様の蝶が飛ぶ
私だけの蝶が飛ぶ
抜けるような青い空に 吸い込まれてしまいたい
風にのって
光の届かぬところまで
心だけ
なくなってしまいたい
そよかぜと ねこをまくらに うたたねす
猫枕 若葉のくちづけ 気もつかぬ
遠い雲 まねて流れる ねこまくら