意味のある言葉が
ひとつひとつ消えていく
残った言葉の残骸を
拾い集めて
どうするというのだ
キーボードを叩くように
言葉を書き記し
口から出まかせの出ぬように
唇を紅く塗り手繰る
星空の中に
落ちていきそうで
足を踏ん張ってみる
アナタノトコロヘハ
マダイケナイ
透きとおった空が
生きろというから
もうすこしだけ
生きてみようか
霜柱が光る
烏帽子岩を
眺めながら
歩く砂浜は
幸せな頃と
なにが違う
切通しにて
ふと立ち止まる
蜥蜴が通り過ぎる
そんな小さな思い出ばかりが
日向ぼっこの友となり
愛しているよと
ささやきながら
私の中の誠実を
影も残さず
喰いつくす
君の心の暗闇に
そっと寄り添う
私の中の暗闇と
溶けて流れて
消えるまで
宇宙の無限と
海の無限と
肉体の無限と
心の無限と
ないものの無限と
飽きもせず
瞬きもせず
見つめあい
髄液までも
瞳で舐める
洞窟の中に隠れてみる
誰も私を
思い出さない
誰か私を
思い出して
そっと
君の背中に
くちづける
もいちど
愛してほしいから
黄色い
花が
咲いている
あなたはもう
いないのに
さびしい
なんて言葉を
思い出せない
そのくらい
さびしい
いだきあい
まじわりあい
いとしみあっても
ひとりの
よる
空が溶けて
海になり
私は
溶けて
砂になる
目を閉じて
冷たい枕に
触れてみる
君の思い出
置いてみる
幾度
電車を
乗り継いでも
たどり着くことの
できない恋